永住ビザを取得できるかどうか、最終的には日本国の法務大臣が決定します。法務大臣が永住ビザ申請人の「素行善良要件」「独立生計要件」「国益適合要件」、この3要件を総合的に審査して、3要件すべてが合格点に達成し、かつ申請人の永住が日本国の利益に合致すると認めたときに限り、永住ビザを許可します。
東京地方裁判所の令和2年12月2日の判決によると、永住ビザ申請人の永住が日本国の国益に反しないという消極的なものにとどまらずに、積極的に具体的に日本国に利益をもたらす者であることが必要であると判示しました。国益適合要件の具体例とは
※就労資格には技能実習生・特定技能1号・特定活動(看護師候補者、介護福祉士候補者)は含まれません。
※就労資格・居住資格をもって5年以上継続して在留とは、直近の5年以上連続して日本に在留していることを意味します。
※就労資格・居住資格の両方の在留資格で在留している場合、両方の在留期間を合計することができる。
(例1):日本語学校2年、大学4年、会社員4年の場合➡日本での在留期間は10年以上ありますが、しかし、会社員として4年しか在留していないため、永住ビザ申請はできません。なぜなら、就労資格をもって5年以上継続して日本に在留するという要件を満たさないからです。この場合、会社員として5年以上の在留期間が必要ですので、1年後に永住ビザ申請できます。
(例2):日本語学校2年、大学4年、会社員3年、特定技能1号3年、会社員3年の場合➡日本での在留期間は15年以上ありますが、会社員として3年しか在留していないため、永住ビザ申請はできません。なぜなら、就労資格をもって5年以上継続して日本に在留するという要件を満たさないからです。会社員と会社員の間に特定技能1号を挟むことにより、会社員としての継続性もなくなるからです。特定技能1号は就労資格に該当しません。
(例3):技能実習生3年、特定技能1号3年、特定技能2号5年の場合➡日本での在留期間は11年以上あり、特定技能2号として5年以上継続して日本に在留しているため、永住ビザ申請できます。なぜなら、就労資格をもって5年以上継続して日本に在留するという要件を満たしているからです。特定技能2号は就労資格に該当します。
(例4):日本語学校2年、専門学校3年、会社員3年、大学2年、会社員3年の場合➡日本での在留期間は13年以上ありますが、会社員として3年しか在留していないため、永住ビザ申請はできません。なぜなら、就労資格をもって5年以上継続して日本に在留するという要件を満たさないからです。会社員と会社員の間に大学を挟むことにより、会社員としての継続性もなくなるからです。しかし、大学に通うことが仕事するために必要不可欠の学問・知識を取得するため、または勤務している会社の指示に従って大学に通った場合、就労資格をもって5年以上継続して日本に在留するという要件を満たす可能性がありますので、挑戦して永住ビザ申請する価値があります。
永住ビザを申請するとき、出入国在留管理局は申請人の税金・年金・医療(健康)保険料の支払い状況について詳しく調査して審査します。税金の未納・滞納は公的義務不履行であり、日本国の国益に適合しないため、永住ビザ申請は不許可になります。また、年金や医療(健康)保険料の未納・滞納であることを判明した場合、公的義務不履行であり、日本国の国益に適合しないため、永住ビザ申請は不許可になります。税金も年金も医療(健康)保険料も支払いが1日でも、2日でも遅れたら永住不許可になる可能性がありますので、十分に注意する必要があります。
※永住ビザ審査は申請人だけでなく、申請人を含む家族全員(妻、夫、子)が適正に公的義務を履行しているかどうか、日本国の法令を遵守しているかどうか、詳しく調査して審査されます。つまり、申請人以外の家族が税金・年金・医療(健康)保険料を支払わなかったり、支払いを遅れたりすると、申請人の永住ビザ申請に悪い影響を与えるので、永住ビザ申請が不許可になる可能性があります。ご注意ください。
※会社員の配偶者として扶養される主婦、主夫は国民年金第3号被保険者になるため、保険料の納付は不要になるが、しかし、主婦・主夫がアルバイトして年収金額が130万円を超えた場合、国民年金第3号被保険者ではなくなり、国民年金第1号被保険者になるため、自ら年金を支払わなければなりません。この年金の未納・滞納が発生した場合、公的義務の不履行として評価され、国益適合要件を満たさず、永住ビザ申請は不許可になる可能性があります。
※最近では、転職した時の退職届、就職届に関する届出の不履行を理由に国益適合要件を満たさないと判断される事例が増加しています。ご注意ください。
最長の在留期間は5年ですが、当面の間、在留期間3年でも永住ビザ申請できます!
仕事や収入が無く生活保護を受けている場合、公共の負担となっているため、永住ビザ申請が不許可になる可能性が高い。しかし、入管法22条2項の適用を受ける日本人・永住者の配偶者、子は公共の負担となっていたとしても、合理的理由(高齢、身体障害、病気などにより明らかに働くことが困難)があれば、法務大臣がその理由を考慮した上で国益適合要件に合致するかどうか、調査し判断します。
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2017年 宅地建物取引士
2020年 行政書士
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